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Bishop Records blog

レコードレーベル"Bishop Records"の、最新情報やこぼれ話など。

齋藤徹、逝去

160708tetsu_s_003.jpg 5月18日11時36分、コントラバス/作曲の齋藤徹が逝去されました。

 一般には異端かもしれませんが、音楽としても人の筋としても私には本筋と思える道を、私たち後輩の前を走って示してくれた、尊敬する大先輩でした。闘病生活に入られてから私の本を読んで下さり、「私も死ぬまでに何とか本を書きたい」と仰って下さいましたが、私のような後輩すら軽くみる事なく真剣に対峙しようとしたその姿勢には敬服するばかりでした。

 執筆は間に合わなかったかも知れませんが、自分の半生を振り返った2016年のソロリサイタルと、その録音『TRAVESSIA』が間に合った事で、身体性を含めたその思想のエッセンシャルな部分を音で示し残す事が出来たのではないでしょうか。本人にとってはすべてが道なかばでしょうが、それでも自分が真剣に対峙してきたことへの見解や成果の半分でも示す事が出来、それが社会の尺度に乗った上で相当な意義を持つものであった事は、音楽家として最上の人生であった事と思います。

 音楽界においても迷走を続ける社会思弁においても、素晴らしいものを示した大先輩。私の理解と解釈の範囲に限られるものの、音楽に疎い人に対し、あの作品の意味のひとつを言葉として社会に伝える手助けを出来た事は、私に出来る先輩の偉業への恩返しのつもりでもありました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。 (近藤秀秋)

https://jazztokyo.org/reviews/live-report/post-6078/
https://jazztokyo.org/reviews/cd-dvd-review/post-10857/
http://bishop-records.org/onlineshop/artist_detail/STetsu.html

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  1. 2019/05/19(日) 14:59:34|
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4枚組LP『Tokyo Flashback P.S.F.』発表

20190510_TokyoFlashback_LP.jpgP.S.F.Records 生悦住英夫さんの追悼盤『TOKYO FLASHBACK P.S.F.』が、アメリカのBLACK EDITIONS から4枚組LPとして発表されるそうです。私はバッハのヴァイオリン・ソナタ1番1楽章をギター編曲して演奏させていただきました。今にすれば簡単でない曲を選んだものと思いますが、川島誠さんと見舞いに行ったばかりの生悦住さんの死を前にした当時はそういう心情だったのでしょう。生悦住さんにこの演奏を捧げて以降、私はこの曲を弾いていません。作曲ばかりしている今では、弾こうとしても弾けないでしょう。

ディレクターを務めた馬頭さんからLPを送っていただいて聴いている所ですが、オリジナル盤の発表からしばらく時間が経過したためか随分このレコードを客観視する事が出来て、追悼に参加なさったミュージシャンそれぞれの青春や人生が聴こえてくるようでした。誰だって人生を背負って生きていますが、ここに入っている音の多くが、完成したものを披露しているのではなく、何かを探しながら必死にもがいているようでした。ひとりひとりは個人の戦いなのでしょうが、まとめて聴くと、何が正義かを迷い問いながら生きざるを得ない今の東京(や資本主義社会の大都市部)の状況が音化されているようです。

キッド・アイラック・アートホールもモダーンミュージックも無くなった明大前に私は足を運ばなくなりましたが、このレコードを聴いていて、明大前のモダーンミュージックまで足を運び、生悦住さんに明大前の喫茶店で「レコードを出そう」と言っていただいた時の事や、やってもやっても追いつかない音楽の練習や勉強に追われていた頃がフラッシュバックしてくるようでした。何が正義かを暗く真面目に悩み考えていた戦後の日本の若者が、80年代に入ってまるで愚民政策に屈したかのように深く考える事もなく意味より利潤や快ばかり優先しはじめた状況下でアンダーグラウンド化した状況、それを音にするとこんな感じではないでしょうか。アフリカや中央アジアや東欧など一部の民族音楽を聴いていると、そこに文化に組み込まれた自分の音楽があると感じますが、このCDからそうした音楽は感じられません。そうした音がないのが戦後の東京なのかも知れませんが、なぜこういう音を問うなり出すなりするに至ったのかという所に共通項を感じます。

あくまで私の解釈ですが、生悦住さんへの追悼という部分を差し引いてこの録音に残る価値とは、音楽よりも、戦後日本の思想潮流のひとつを捉えたところにあるように思えます。今回聴いていて個人的に心を動かされたのは、私が子どもの頃まで残っていた日本の歌音楽にあった情緒を現代化したかのようなà qui avec Gabriel さんのアコーディオン、フランス印象派音楽と日本のアンダーグラウンドが融合したような平野剛さんのピアノ、「なぜ」という意味では最上と感じられた冷泉さんは、素晴らしいパフォーマンスでした。この4枚組LP、日本では、HMVやディスクユニオンなどから5月末に入手できるようになるようです。
  1. 2019/05/10(金) 14:10:30|
  2. PSFD-210
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フランスLe son du grisli 誌、望月治孝インタビュー掲載

フランス Le son du grisli 誌での、サクソフォニスト望月治孝のインタビュー。
http://grisli.canalblog.com/archives/2018/09/17/36711296.html

望月治孝、川島誠 / 自由な風のように
http://bishop-records.org/onlineshop/article_detail/AN14.html

望月治孝 / ガラスをとおして
http://bishop-records.org/onlineshop/article_detail/AN-R5.html

望月治孝‐近藤秀秋 / el idioma infinito
http://bishop-records.org/onlineshop/article_detail/EXJP019.html
  1. 2019/04/25(木) 12:08:05|
  2. 未分類
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CD『スペインギターフェスタ / わたしたちのスペイン』 入荷

SpainGuitarFesta.jpgクラシック・ギター五重奏団スペインギターフェスタのデビューCDが入荷しました。編曲はすべてメンバーによるもので、全15曲中、五重奏が8曲、三重奏が7曲。個人的には、デ・ファリャ作品の三重奏編曲、またフランス印象派の色彩も見られるモンポウ作品の芳香を失わないアレンジを成立させた岩崎の編曲に高い技術と音楽性を感じました。日本のクラシック・ギター界の中堅によるグループですが、自主制作盤のため、入手方法は限定されるかと思います。
http://bishop-records.org/onlineshop/article_detail/SGF001.html

また、スペインギターフェスタに参加の坪川真理子のソロギター作品も取り扱っています。
http://bishop-records.org/onlineshop/artist_detail/TMariko.html

  1. 2019/04/03(水) 19:06:14|
  2. 入荷情報
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JINYA DISC より、高柳昌行作品12作入荷

20190120_Jinya.jpg
ギタリスト高柳昌行の専門レーベルJINYA DISC から、CD12タイトルを入荷しました。

1枚だけ推薦するとしたら、"April is the cruellest month" 。若いころから何回聴いてきたか分からないほどの愛聴盤で、日本のフリージャズの金字塔のひとつだと思っています。

http://bishop-records.org/onlineshop/top.html


  1. 2019/01/20(日) 20:39:27|
  2. 入荷情報
  3. | コメント:0

『Jazz Tokyo No.249』更新

20181208_1.jpgJazz Tokyo 誌に、2つのライブレポートを書かせていただきました。

能楽『名曲能の会 第二十回記念公演 鸚鵡小町』は、日本の伝統芸能や伝統音楽が暗に共有している思想はこれなのではないかと考えさせられた、素晴らしい体験でした。今年も色々なパフォーマンスを拝見させていただきましたが、これで他のすばらしいパフォーマンスもかすんでしまったほど。
http://jazztokyo.org/reviews/live-report/post-35840/

タンゴ『Trio Celeste & Sayaca with グスタボ・エイリス』。なぜ異文化アルゼンチンの音楽が日本で50年も連綿と受け継がれているのか、何に惹きつけられているのか、それを垣間見たような素晴らしいステージでした。
http://jazztokyo.org/reviews/live-report/post-35829/

自分の作曲のための時間が充分に確保できず、「仕事」に追われる毎日で、悠長にライブレポートなど書いていられるような身分ではないのですが、このふたつのライブは、自分の時間を割いても伝える価値があるのではないかと、書かせていただきました。

まだすべての記事に目を通していないのですが、他に個人的に興味を惹かれた記事は、ライブレポート『作曲家グループ<邦楽>コンサート~音のカタログ vol. 8』(悠雅彦)、ディスクレビュー『新井陽子/シャドウ・ライト : Yoko Arai / Shadow Light』(伏谷佳代)、年間アワードCD『 廣木光一・渋谷毅/Águas De Maio 五月の雨』(齊藤聡)、など。私など、今となっては音楽の情報をどこから仕入れたらよいのか分からなくなっている状態なのですが、なかなか面白そうな記事がいくつかあり、正月にでも読んでみようと思っています。
http://jazztokyo.org/
  1. 2018/12/30(日) 14:26:53|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
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書籍『ジャズ・ピアノ教本の変遷』のジャズ教本紹介欄にて

PA310260.jpgピアニストの河合孝治様が、今年上梓なさった『ジャズ・ピアノ教本の変遷』にて、拙著『音楽の原理』をおとりあげ下さいました。

ジャズの教本としての紹介なのですが、最後に「とにかく手に取ってみていただきたい。音楽というより、音に関する全ての専門家、学習者にオススメしたい」と、なんともありがたい言葉を書いて下さいました。河合様、ありがとうございました。

http://bishop-records.org/onlineshop/article_detail/book_the%20principles%20of%20music.html



  1. 2018/10/31(水) 15:35:25|
  2. 書籍『音楽の原理』
  3. | コメント:0

2018.10.22 坪川真理子ギターコンサート at いずみホール

20181022.jpg2018年10月22日、東京の西国分寺にあるいずみホールでの坪川真理子ギターリサイタル、素晴らしかったです。右手の繊細なタッチ、左手の脱力、見ているだけで得難いレッスンを受けているようでした。行ってよかった。

音大や村治ギター教室等で数多くの後進を育て、「現代ギター」誌上でのギター界への貢献も際立ち、数多くのコンクールで審査員を務め、そして今もリサイタリストとしてステージにあがります。坪川さんとはデビュー以来ずっとお付き合いさせていただいていますが、気づいてみれば、日本のクラシック・ギター界になくてはならない重要人物になっていました。拍手!



  1. 2018/10/22(月) 23:16:29|
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