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Bishop Records blog

レコードレーベル"Bishop Records"の、最新情報やこぼれ話など。

CD『The Jimmy Giuffre 3 / Bremen & Stuttugart 1961』 について

JimmyGiuffre_Stuttgart_Bremen.jpg ジャズ史を揺るがすほどの素晴らしい内容にもかかわらず、日本での入手が困難なため、入荷する事にしました。

The Jimmy Giuffre 3 / Bremen & Stuttugart 1961
(EMANEM 5208) *CD2枚組

 ジミー・ジュフリー・トリオは、1960年代に入ってメンバーをポール・ブレイ(ピアノ)とスティーヴ・スワロウ(ベース)に入れ替え、フランス印象派に近い4度堆積和音や全音階をはじめとしたクラシック近代音楽と、モダン・ジャズの特色でもあるツーファーブ・モーションから離れた苛烈な即興演奏、このふたつを融合した音楽を完成させた。その成果はヴァーヴからリリースされた『Thesis』『Fusion』というふたつのアルバムに結実した。この2作はのちにECMから『Jimmy Giuffre 3, 1961』として復刻されたが、その際に1曲がテイク差し替え(TRUDGIN’)、1曲がカット(USED TO BE)となった。

 「ジャズを続けるかクラシックの作曲家になるか迷った」と考えていたジミー・ジュフリーが生み出したこの音楽は、アメリカよりヨーロッパで評判となって欧州公演が行われ、そのいくつかの録音が残った。その代表が92年と93年にhat ART から発掘音源としてリリースされた『Emphasis, Stuttgart 1961』と『Flight, Bremen 1961』。いずれも61年のドイツ公演の記録で、時としてスタジオ録音をはるかに凌ぐ作曲と即興演奏が混然一体となった驚異の演奏を聴くことが出来る。

 この2つのドイツ公演を2枚組にして復刻したものが本作。注目は、ブレーメン公演にこれまで未発表だった5曲が追加された事と、ECM盤の復刻時に差し替え/カットされた2曲が追加された事。もしジャズがアメリカン・ソングフォームのポピュラー音楽でなく、クラシックが機能和声音楽の外に飛び出した瞬間の音楽をそのまま引き継いでいたら、恐らくこういう音楽になったのではないだろうか。歴史に残すべきライヴ演奏の完全版となる素晴らしい復刻。 (近藤秀秋、2022)

http://bishop-records.org/onlineshop/article_detail/EMANEM5208.html
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  1. 2022/12/23(金) 00:12:10|
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『齋藤徹の芸術 コントラバスが描く運動体』 書評

SaitouTetsu no Ongakuオンライン音楽誌に、齊藤聡様の書かれた『齋藤徹の芸術 コントラバスが描く運動体』のレビューを書かせていただきました。
この素晴らしい本とその取り組みは、私が書いたレビュー内容など比較にならぬほど、深く意義あるものに間違いなく、それをお伝えする所まで行けなかった点は、本当に申し訳なく思います。私の書評などは偏向きわまりない読み方のひとつにすぎず、もっと広い読み方のある本、またそうすべき本と思います。

編集部様よりこの本のレビューをご依頼いただいた時、私はいくつかの作曲と執筆の仕事を抱えており、この状況で今からこの大著を読み上げ、さらにそのレビューをする事は不可能と思いました。これをやるには、いま取り組んでいる仕事を止めなくてはいけません。書評は、下手をすると著者の書き手としての命を奪ってしまいかねない繊細な仕事です。かといって太鼓持ちをしてしまっては読者に義理が立たず、何のための書評か分からなくなってしまいます。これだけ仕事を抱えた現状で、書評を書くという責任を負う事は出来ないと思いました。
しかし、著者である齊藤様の仕事や音楽への取り組み方を存じ上げており、また私個人が本書のテーマである齋藤徹へのリスペクトが強い事もあり、お力になれるのであればなりたいという気持ちも勿論ありました。相反する判断基準を抱えたこの状況、自分で早計な結論を出すよりありのままをお伝えした方が良いと思い、現状を編集長様に伝え、条件付きで書かせていただく事になりました。

あるひとりの音楽家が具象させようとしたもの、その判断の背景にあった思弁、こういうものを入念な取材や調査によって克明に描き出した社会的に価値ある本。そう思いましたので、本来はもっと深く検討し、社会に対するこの本の価値がどこにあるかを明確にして社会的位置を記銘できれば理想とは思いました。ただ、今の自分には、それをしている時間がありませんでした。結果、一般化する作業をカットして「私がどう思ったのか」だけを書くのであれば嘘のない所と思い、断片的な書き方での脱稿となりました。不細工であるにせよ、発刊より時間が空いて熱が冷めてから書評が出るよりも、少しでもはやく書評が出る方が有益であるという判断です。この点、どうかご容赦いただければありがたいです。

かような状況での殴り書きのような原稿を丁寧に校正いただきました編集者様には、感謝の言葉しかありません。また、これだけの大著を書き上げた著者には頭の下がる思いです。この本の登場によって齋藤徹の素晴らしい仕事に触れる機会を得る人が増えれば、それも社会的に幸福な事だと思います。この本は、齋藤徹や彼が関わった音楽その他のファンのみならず、音楽や芸術を志す人、プロ音楽家としての活動が仕事になりかかってしまっている人、ますます暗鬱になっていく現代に生きるその生き方に実存的な意味を求める人、とにかく多くの人に重要な示唆を与える本であると思っています。 (近藤)

https://jazztokyo.org/reviews/books/post-79898/?fbclid=IwAR2vxAQ4aTFPwFYG-gs-PjDPC1oSZ6mrJAebjjDmITXVGleB7gSWZzuckWk
  1. 2022/10/03(月) 12:58:26|
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CD『高木元輝 吉沢元治 / Duo & Solo』の解説を担当させていただきました

IMG_20220310_000107.jpg黎明期の日本フリージャズの名プレーヤー・高木元輝と吉沢元治の発掘音源『高木元輝 吉沢元治 / Duo & Solo ~Live at Galerie de Café 伝 Tokyo 1987・1989』の解説を担当せていただきました。

レーベルはキング・インターナショナル/Nadja21、CD3枚組、今日からネットショップで買えるようになったようです。プロデューサーの稲岡邦彌様、キング・インターナショナル担当者様、お世話になりました。皆様、興味がありましたらぜひ。


  1. 2022/03/10(木) 23:23:55|
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JazzTokyo にてBishop Records の新譜3作品が紹介

JazzTokyo 20220301 Local NewsWebマガジンのJazzTokyoにて、副編集長の横井一江様が、Bishop Records の新譜3作を紹介して下さいました。レーベル自体のガイダンス以上に的確に作品の内容を伝えて下さっており、感謝の言葉しかありません。JazzTokyo 様、横井様、有難うございました。

JazzTokyo 国内ニュースページ:
https://jazztokyo.org/news/post-74644/

作品ページ:
青木菜穂子 / 遥かなる午後
河崎純 feat.ジー・ミナ / HOMELANDS
河崎純 feat.マリーヤ・コールニヴァ / STRANGELANDS

  1. 2022/03/01(火) 10:41:34|
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『原田斗生 / To-i』 レコード芸術特選盤を受賞

DSC_0003.jpgご報告が遅れましたが、録音を担当させていただきましたCD『原田斗生 / To-i』が、レコード芸術2021年9号で特選盤に選出されました。ありがたい事に録音評も高く、レコーディング・エンジニアとして報われる思いがしました。文章をどう読んでもきちんと聴いて下さったご様子、これならたとえ厳しい評であったとしても納得できるものでした。評者の常盤清様、那須田務様、濱田三彦様、ありがとうございました。

録音やミックスの依頼が入ると、その作品を調べ、何をどのように録音するのが正解かを探し、ディレクターやミュージシャンの意図を汲んでサウンド・ディレクションをすり合わせ…と、完成までの長い時間をその作品やミュージシャンに捧げる事になります。だからひとつの作品が完成した時にはいつも疲労困憊、もう録音は今回で最後にしようと毎回のように思います。制作に入ると自分の音楽活動ですら全部止める事になるので、俺には人の手伝いをしている時間はもうない、自分の人生を生きろ、とすら思います。
しかし、自分の人生を一時的に預けてもいいと思える素晴らしい音楽作品となると、話は別です。いざ作品が完成し、プレスのあがったその作品を改めて聴いた時に、それがなにかを果たせた作品と感じる事が出来ると、また前を向く事が出来るようになる、この繰り返しです。題材さえ良ければ、録音エンジニアは大聖堂に壁画を書いたり、壁に仏像を彫り込む仏師と似た仕事なのだろうと感じるのですよね。記号化されない生きた現象そのままを最良の形にして後世に残すのですから、ある意味ではそれ以上かもしれません。山田唯雄さんもそうでしたが、この作品も間違いなく関わらせていただいて光栄だったと思えるセッションで、あるギタリストが幼少期から鍛え上げてきたものをぶつけてきた鬼気迫る演奏でした。

原田さん、遅くなりましたが、受賞おめでとうございます。仮に受賞していなかったとしてもこの作品の価値は音楽人が聴けば一目瞭然、なんら変わるものでもないでしょうが、それでもこの受賞で聴いて下さる方がひとりでも増えると良いですね。

  1. 2021/12/23(木) 15:53:51|
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