フランスのインプロヴァイズド・ミュージック系のレーベル”Improvising Beings” のCD40タイトルが入荷しました。“Improvising Beings” はパリに拠点を置く即興音楽系のレーベルで、カタログにはSonny Simmons, Giuseppi Logan, Alan Silva, Burton Greene といった米フリージャズ往年の名プレイヤー、フランス初のフリージャズの録音作品を作ったといわれるフランソワ・テュスクをはじめ現在活躍する仏のプレイヤー、豊住芳三郎、ヒグチケイコ、谷川卓生、沖至などの日本のプレイヤーが並びます。これは、パリという文化混交地域にあるレーベル故の特徴でしょうか。
推薦CDのひとつはBenjamin Duboc がコントラバス独奏で録音したアルバム『St. James Infirmary』。タイトル曲は有名なトラディショナルですが、これをフォーマルな演奏技法を軸に、現代音楽以降に積極的に開拓されることとなった各種の特殊奏法を表現に組み込みつつ、原曲の美しさを生かし切ります。特殊奏法はそれが目的となると私にはつまらないのですが、特殊や超絶であるかどうかではなく、音の組織化に組み込まれえない部分を音楽的に扱い切った時には素晴らしい表現に達する事があります。この録音はそれを為した優れたパフォーマンスのひとつと感じました。日本と同じように、フランスもつまらない即興音楽が大勢となってしまった時期がありましたが、近年はこういう素晴らしいプレイヤーの名が幾つも挙がるようになってきており、パリ周辺のトータル・ミュージックの未来は明るいと言えそうです。
他にも素晴らしいCDがいくつもありました。興味がありましたら、是非覗いてみて下さい。
http://bishop-records.org/onlineshop/label_detail/improvising_beings.html
スポンサーサイト
2015/10/27(火) 22:46:41 |
入荷情報
| コメント:0
本日、CD
『住友郁治/Oratio 2 -recital 2014-』 (Bishop Records, EXAC013) 発表です。
モーツァルト、ショパン、リスト、ラフマニノフを取りあげていますが、曲だけでなく、ロマン派的な劇性に溢れる音を体現していくピアニストの意識や感情の動きに注目すると、より楽しめる録音ではないかと思います。器用にまとめにいかず、むしろ無意識のうちにも破綻を望んでいたのではないかと思わされるほど強靭に迫る後半は、クラシックを「退屈な音楽」と思っている人にこそ聴いていただきたいです。
クラシックCD販売店のほか、ビショップレコーズonline shop、HMV、TOWER RECORDS、TSUTAYA オンラインショップ、山野楽器などでもお求めいただけます。
http://bishop-records.org/onlineshop/article_detail/EXAC013.html http://tower.jp
http://www.hmv.co.jp
https://www.yamano-music.co.jp
http://www.amazon.co.jp
http://shop.tsutaya.co.jp
2015/10/20(火) 10:59:03 |
EXAC013
| コメント:0
日本フリージャズ・サックス界、久々の注目プレイヤーである川島誠さんの実質的デビュー作『川島誠/HOMO SACER』、入荷しました。
『川島誠/HOMO SACER』 (P.S.F RECORDS, PSFD-211, 1852yen +tax)
日本フリージャズ・サックスの一部は、明らかにアメリカやヨーロッパとは違う美的様相を感得していますが、この音楽的シンクレティズムとでもいうべきものを正面から引き受けた、久々の新人の登場と思います。
http://bishop-records.org/onlineshop/article_detail/PSFD-211.html
2015/10/19(月) 18:52:30 |
入荷情報
| コメント:0
1週間後となる10/20に、クラシック・ピアニスト住友郁治さんの新作『Oratio 2 –recital 2014-』を発表させていただきます。視聴用の動画を作ろうかとも考えたのですが、部分を切り取って数十秒だけ聴いていただく形にしてしまっては、むしろ大事な部分が伝わりにくくなってしまうのではないかと思い、やめました。
*****
『住友郁治 / Oratio 2 -recital 2014-』 (Bishop Records, EXAC013, 2000yen+tax)
ピアニスト住友郁治、4枚目のアルバム。モーツァルト、ショパン、リストという得意レパートリーに加え、ラフマニノフを取りあげて大きな反響を呼んだ、2014年リサイタルのライブ録音。
選択されたプログラム以上に、ピアニストの表現はロマン派的な人間的情感に溢れる。公演当時、住友は大きく体調を崩し入院、演奏中も次第に記憶が薄れて行った。この為か、演奏は次第に構造や解釈よりもピアニストの感じた事が先行して音に反映されたかのような様相を示しはじめる。特に意識が朦朧として行ったというラフマニノフ以降の演奏は、異様なタイム感とダイナミクス表現を示し始め、それはリストによる2つの伝説「水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ」で大きなクライマックスに達し、打ち震え叩きつけるような表現で万雷の拍手を浴びた。衒学的な理解を超えたところに音楽を成立させた、ひとりの演奏家が達したひとつの到達点の記録となった。
2014年10月1日、横浜みなとみらいホール、実況録音盤。
収録曲)
モーツァルト
・幻想曲 ニ短調 K.397
ショパン
・バラード 第3番 変イ長調 op.47
・スケルツォ 第3番 嬰ハ長調 op.39
ラフマニノフ
・前奏曲 op.3-2「鐘」 嬰ハ長調
・前奏曲 op.23-5 ト短調
・前奏曲 op.32-5 ト長調
・「音の絵」op.39-9 ニ長調
リスト
・2つの伝説
・「巡礼の年 第2年 イタリア」より ソナタ風幻想曲「ダンテを読んで」 S.161 R.10b
*****
どうぞ、よろしくお願いいたします。
http://bishop-records.org/onlineshop/article_detail/EXAC013.html
2015/10/13(火) 10:18:24 |
EXAC013
| コメント:0
クラシック・ギター専門誌「現代ギター」10月号にて、CD『近藤秀秋/アジール』をお取りあげいただきました。ライターの中川様および編集部の皆様、ありがとうございました。
現代ギター10月号は「ギター演奏のための“カラダストレッチ”」、大航海時代のポルトガルで生まれた「フォリア」のふたつの記事が面白かったです。巻末掲載の楽譜”Les Folies d’Espane Op.75-b” (Carulli、小川和隆校訂) も、モリコーネの西部劇音楽に出てきそうなスペイン調の曲で、演奏してみると大変に楽しかった。
http://bishop-records.org/onlineshop/article_detail/PSFD-210.html
2015/10/01(木) 11:05:15 |
PSFD-210
| コメント:0